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決してその一服を吸わないで - Never Take Another Puff


「たかがタバコじゃないか!」


「たかがタバコじゃないか、ドラッグをやっているわけではないし。」  多くの親達がこのような感傷に強い同意を示す。しかしこのような信念を持ち安全だと思っている親達はいくつかの明白な、またはそれほど明白で無い喫煙や薬物使用一般についての理解には欠陥があることを見逃している。

1989年公衆衛生局長の喫煙による健康被害報告はひとつの分野だけに集中している、すなわち喫煙と依存症。この画期的な報告はニコチンの依存性という性質と喫煙ということに関して二つの事実を確立した。第一に最も大切なことなのだが、ニコチンは喫煙行為、これはアルコールを含めたその他全ての薬物を合わせたよりも多くの死の原因となっている、を促している依存性のある化学物質であるということである。これは多くの人が既に知っている概念を補強したということである。喫煙がドラッグほど悪くないと感じることは論理がねじ曲がっている。子ども達は実際にはとても依存性の高いドラッグを使っているのである、ただし正確に言えばそのドラッグは彼らが使っても法律に大きく違反するということではない。

二つ目の事実であるが、子ども達は違法な管理薬物を使っているのではないという両親達の安心感を打ち砕くものである。報告の中で判明した事実は以下の通り:

依存症を引き起こす薬物を使用している者はしばしば喫煙者であり、喫煙が先立ちし、違法薬物の使用を予言するものである。1985年の薬物乱用調査によれば、12~17歳の喫煙常習者は喫煙しない子どもに比べてコカインの使用が32倍に増えている。さらに印象的なのはマリファナの使用は113倍に増えている。

カンデルはマリファナやコカインといった違法ドラッグを使った人の事実上全員が以前に合法的な薬物即ちタバコやアルコールを使っていたことを見出した。

"アルコールがタバコの導入になるケースがいくらかはあるが、アルコールではなくタバコが違法薬物へのより強力な導入剤となっている."

アーカンソー大学のギンゼル博士は「中毒への道筋でタバコは無くてはならない、中枢の役割を担う」と述べさらに:

「タバコがその他違法ドラッグ乱用の入り口になっているのを見るときに、その他全ての薬物にアルコールを加えたよりもタバコは多くの死をもたらしているということを忘れてはならない。一般大衆が依然としてタバコがもたらす死者の数という厳しい現実を理解していないことは不幸なことであるが、薬物問題に取り組んでいるフリをしているもの達の、無理解と取るべきアクションを取っていないことは耐え難く、言い訳のしようがない。

これらの言明は逃れようがない。ドラッグの受け入れられる代替物として喫煙を承認すると、両親が最も恐れる薬物を試みたり、依存症になってしまうことが大いにありうるのだ。喫煙による長期に渡る健康被害と、その他の違法ドラッグの使用リスクを最小にするためにも両親と教育界によるしっかりした努力が求められている。もしあなたに在学中の子供や孫がいたら、またはあなた自身が教育陣の一人だったら、あなたの学校区で喫煙防止プログラムを実行することを強く勧めてください。

もしあなたが喫煙者であるか、かつて喫煙をしていたのならば、その他の禁止薬物に比べてタバコは合法的なのだという理屈をつけて、喫煙とその他の薬物の間には違いがあるのだということは決してしないで下さい。子ども達は賢く、タバコはあなたには良くとも彼らには駄目だという偽善を見抜くことでしょう。そんなことをするよりも、あなたが無知と理解不足のために最初にタバコを試みて依存症のとりこになってしまい、その依存症を断ち切ることができず、これから一生のあいだ絶望的な気持ちで自由になりたいと望むのだという事実を伝えてください。ニコチンは中毒そのものであり、あなたを支配しチャンスがあれば多分あなたの命を奪うことになるのです。

あなたのお子さん達に、タバコであろうと、アルコール、ヘロイン、コカインであろうと、依存性のある薬物に対しては、人は容易コントロールを失うということを理解できるセンスを身につけさせてください。そしてあなた自身とお子さんのためにも、「決してそのもう一服はしない」 ということを忘れずにお手本を示してください。

翻訳:西田季彦

© Joel Spitzer 1990




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Written April 2, 2007 and page format updated February 12, 2022 by John R. Polito